『「みんなの意見」は案外正しい』は本当に正しいのか?

「みんなの意見」は案外正しい

「みんなの意見」は案外正しい



高校生の頃、僕はアーチェリー部に所属していました。その部活では3年が引退するときに、3年だけで集まって次の代の主将を決めるのです。

僕が3年のときも同じく、次期主将を決めるミーティングを行いました。ただ、次の世代、つまり2年生はそのとき3人しかおらず、主将はそのうちのほぼA君1人に絞られていました。


当時僕が主将を務めていたので、主将選定ミーティング開始後、誰が最も主将に適しているのかメンバー1人1人に意見を聞いてみました。案の定みんなが皆揃って、そのA君を指名しました。まあ、当然といっちゃ当然で、僕もA君を選ぶつもりだったのですが、このまま僕もA君と言ってしまって何の議論もされぬまますんなり終わるのが怖かったので、あえて天の邪鬼になってB君の名前を挙げました。すると勿論周りから「なんでや?」と非難轟々。まあ、本来ならすんなり決まるはずが、僕のせいで時間食うわけですからね。


ただ、人にはそれぞれ個性というものがあり、その中に得意・不得意、長所・短所があるじゃないですか。A君は確かに主将として一番近い器ではありましたが、勿論同時に不安要素もあります。またB君、そしてC君の場合も同様に主将という器とは違うかもしれませんが、A君にはない別の得意分野を持ってます。


で、あらゆる場面を想定して、こういうケースならB君の方がいい。また、こういうケースに陥るとC君も捨てがたい。と、色んな角度からの見解を提示したんですね。するとみんな「確かにそれも一理ある」ってなって、新たに一から考え直して、色々議論を重ねました。


まあ、最終的には僕も含めA君の満場一致で決まり、『「みんなの意見」は案外正しい』の言葉通りになったのですが、ただ、じゃあ少数派意見を無視してもいいのか、ってのはちょっと違うと思うんです。少数派意見の中には、「みんな」が思いもしない「何か」が隠れている可能性があるので、そういったモノも大切にした方がいいのかなぁと思った次第です。




今、僕が意識的にやっているのは、例えば本を買うときや読み終わったあと、その本に関するアマゾン等のレビューを一通り見てみます。その中で、自分の評価や見解と違う人や、一般的な評価と異なった意見を書いている人をできる限り読むようにしています。そうすることによって自分では気づかなかったモノの見方が発見でき、多角的視野の基盤になったりするのかなぁと思ったりしています。



ってことで、僕は「みんなの意見は案外正しいかも知れないけど、少数派意見にこそ大事な何かが隠されている可能性が高いので、それを見逃さないようにね」と、長ったらしくまとめて締めくくりたいと思います。



<2009.5.15追記>
改めて思ったことなのですが、要は「みんなの意見」に流されて思考停止状態に陥ることをなくしましょうってことです。「みんなの意見」が正しいかどうかは、あなた自身が決めることで、みんなが正しいと言っているから僕も正しいと思うってのはちょっと危険かなぁって思った次第です。はい。