バランス感覚を身につける

仕事をする上で、いや、生きていく上においても、バランス感覚というのは非常に大事だと思います。昨今、「KY」なる空気読めない的な発言をよく目にしますが、これも言ってしまえばバランス感覚が欠けているのだと思われます。

例えば極右的な、もしくは、極左的な考え方が、人間社会を形成するにおいて衝突する原因となるのではないのかと。(ただ、こーゆー両極端的な考え方も全体を形成する上では必要であることは間違いないので、決して全否定している訳ではありません。悪しからず。)


では、どのようにしてバランス感覚を身に付けるのか。いくつかの方法を挙げてみました。


【バランス棒を持つ】
まず、極力、自分の考えとは反対側の意見を聞き、理解するよう心がけます。
自分の考えと同じような人の意見や主張ばかりを見ていると、自分がそちらに傾いていく傾向があり、そのうちその人の言っていることは全て正しいんだ、的な考えになります。これは結構危険だと思うんですよね。人間誰しも、全ての立場において正しい人なんていないので、やはり尊敬する師であろうがカリスマであろうが、話し半分強ぐらいに捉えている方が偏りにくくなるでしょう。
更に、自分の尊敬する人の意見に対して批判的に言っている人の意見をあえて聞き、その意見をできる限り汲み取ることによって右に傾いていたものが、左に戻されていくと思います。(勿論、誹謗・中傷的なものではなく、あくまで建設的な批判意見限定で。)
僕がよくする方法としては、アマゾンなんかのブックレビューで、自分の好きな本に対して評価の低いレビューをあえて読んだり、逆に面白くなかった本での評価の高いレビューを見たりして、自分とは違う意見を勉強したりしています。
この左右の意見を聞くことが、バランス棒を持つ感覚に似ているのではないでしょうか。これにより、左右へのブレを少なくでき、細いロープの上も渡って行けるようになると思います。



【バランスの板を広げる】
例えば狭い表面だけではどちらに傾いているかパッと見は分かりにくいですれど、その表面を大きく広げることによって、あ、実は傾いていたんだってのが見えてくるじゃないですか。
ってことで、自分の興味のなさそうな分野を取り入れたり、全然職種・年齢の違う人や異文化人との交流を通じ、表面を大きくします。
特に日本という国は隣接する国がなく、かつ日本語という一民族しか使ってない言語を使用しているため、比較的固執した考え方になりがちだと思うのです。多角的視野を手に入れるためには、一度、違う文化に触れてみるのも良い勉強になります。

僕の場合、基本的に体を動かすことが好きなのですが、あえてお茶に挑戦したり、バンドをしてみたりして、今まで見向きもしなかったり、諦めてた分野に入っていきました。本当に合わなければすぐにそこから出て行けばいいと思うのですが、これが意外と食わず嫌いだったりするものなので、やってみると新しい発見がいくつも出てくるもんですよ。




【自らバランスを崩してみる】
これが一番難しいんですが、でも結構大事だったりします。
常にバランスを保とうとしていると、何かの拍子に崩れてしまうかも知れなくて、それが外的要因だったりすると、なかなか立て直しにくいと思うんですね。でも、自らバランスを崩すと、自分で崩したので再び体勢を立て直しやすいんですよ。でもって、どこまで行くと崩れるのかって限界が分かるようにもなりますし。また、どこまで耐えられるかも判断できるようにもなります。
ものすごく抽象的で分かりにくいかも知れませんが、例えば僕の経験談で言うと、英語が全くできないにも関わらず、語学留学に挑戦し、そのとき持っていたバランスを一旦全て崩しました。別に当時の環境に不満があった訳ではなく、寧ろ楽しかったんですけどね。ただ、バランスを崩した当時は本当に不安でしたが、一度崩してみると、「あ、なんだ、こんなもんなんだ」って分かり、まだまだ限界地には達してないことに気づきました。



以前の日記にもちょっとだけ引用しましたが、僕の好きな言葉で、

「下にいったことがなければ 上にはいけない...
 右にいったことがなければ 左にはいけない...
 絶望したことがなければ 本当に大事なことはわからない」

という、ある漫画のセリフがあるのですが、まさしく僕の言いたいことをうまく短くまとめてくれています。



ってことで、国際的なバランス感覚を身に付けるよう心掛けてます。